EM菌を活用した
    自然農法への取り組み

EM菌との出会い

 平成7年頃と記憶しているが、勤め先の上司が「齋藤君ところ梨を作っているだろ、EM菌を使ってみないか、家では家庭菜園にEM菌を使っているが、三寸にんじんが五寸にんじん位に育つど」!。是非やってみないか、きっと大きな梨が獲れるぞと熱心に勧められた。
 そんな訳が無いと思ったが、余りにも熱心に勧めるので、EMボカシによる「生ごみのボカシあえ」で自給野菜のナスの元肥にそのボカシで作ってみた。そうしたら生りるなりる、毎年ナスは作っているが、近年に無い良い成績、そしてカボチャが勝手(生ごみに種が入っていたと思われる)に生えてきて、これまた生りるなりる。確かにEM菌は凄いと思った。

EM菌の学習

 EM菌の良さは理解できましたが、どんな性格でどの様に扱えば活躍してくれるのか、微生物は私共人間の目で見ることができません。そこでEM菌とのお付き合いの方法を勉強しなければと思い、長生郡長南町の共生舎と言う所で、月1回、夜7時ごろから10時ごろまでEM菌を用いた自然農法、環境保全の勉強会を行っている事を知り、約3年間(財)自然農法国際研究開発センターの「天野先生」そして「伊藤先生」からEM菌の取り扱い方、使用方法について親切に伝授を受けました。

EM3兄弟と糖蜜

齋藤農園では、EM菌が「田んぼ」「梨畑」そして「野菜畑」で
     元気に活躍・活動し、安全で美味しい生命力の溢れた
                       農産物を生産しております。

EM菌とは?

 EffectiveMicro-organisms の略語で有用な微生物群という意味です。
 私ども齋藤農園の上司は「大自然」です、その自然の教えに従うEM自然農法は、生命力(抗酸化力)溢れた農産物を生産する農法です。琉球大学農学部・比嘉照夫教授によって発見・開発された有用微生物群EMが、不純物(灰汁・苦み・渋み等)の少ない、中身のきれいな作物を作り、私たちがその作物を食べることで健康にと、医食同源の世界を生み出し、田畑はもちろんのこと、そこから流れ出たEM菌は下流の水をきれいにし、河川・海もきれいになり環境を良くします。 

EM菌による自然農法
  自然農法の本質的な力 (比嘉教授談)

 
自然には、人口がいくら増えても養うだけの潜在力があります。自然農法の創始者「岡田茂吉」は、未熟な有機物や化学肥料、農薬を使用した農法に根本的な誤謬があると厳しく指摘し、その対策として「土をけがさず清浄に保つことが重要である」と力説しています。有用微生物の集合体であるEMを活用すると、土がピュアになり、自然の力が最大限に発揮されるようになります。

 EM自然農法の5つのハードル

 
EM活用の自然農法がめざす5つの条件とは
@ 健康増進・・・人々の健康増進に役立つ作物の生産
A 経済性・・・生産者・消費者共に経済的メリットがある。
B 大衆性・・・だれもができ永続性がある。
C 環境保全・・・自然環境を損なわず土の地力を高める。
D 生産性・・・人口増加に対応できる生産量を得る。

 こうした5つの条件を満たす潜在能力が自然界にはあります。
 それを引き出す農業こそが本来のあり方ではないでしょうか。

「土をけがさず清浄をたもち」
    EM菌が常に優勢になるよう管理する。


1グラムの土の中には、1億以上の微生物が棲んでいます、微生物の中に病原菌が多くいれば、土が不健康で作物が病気や害虫におかされやすい「腐敗型」の土壌となり、反対に有益な微生物が多くいれば土は健康で作物も丈夫に育つ「蘇生型」の土壌となります。

EM活用により、
「シントロピーの世界」へ!!!
   世界に広がるEM技術
        EM研究機構

日本人は、「味噌・醤油・お酒・納豆」などをはじめとして、微生物を
     利用して色々な「すばらしい醗酵食品」を先人たちが発見し現在
      まで伝承してきました、EM菌はその微生物の親戚・お友だちです。

   2004.7.31撮影 (梨畑にて)
土の中の微生物が活発な活動により、剪定枝のチップをキノコが分解する。

 虫や菌が死ぬ、草が枯れる農薬は大なり小なり私ども人間にも影響があるのではないかと疑問を抱きながら、以前は農薬散布をしておりました。基準通り使用すれば、科学的な分析の範囲では確かに問題は無いかもしれません。しかし、例えば透明なガラスに薄く色が付いても、そのガラス越しに何かを見ても何ら支障は無く見えます、しかし何枚・何十枚とそれが重なると、そのガラス越しでは物が見えなくなります。
 この例を農薬に置き換えて見ると、基準の範囲であれば人体に影響がないかも知れませんが、何回・何十回と摂取していると、解毒しない限り体内に蓄積されていく事になり、やがて何らかの影響或いは障害が出るのでは無いかと考えられます。
 従って、出来る事なら農薬等の化学合成物質は使わず若しくは必要最小減で農作物を栽培することが、生産者そして消費者の健康につながります、そして地域の環境も豊になります。だから、自然界に棲んでいるEM菌を活用し、農薬や化学肥料に頼らない「EM自然農法」が優れているのです。
なぜ「EM自然農法」なのか
皆でEM菌を増やそう

 「農は国の基なり」と比嘉教授が発見・開発したEM菌は、当初は農業に活用されていましたが、現在では「医療」「環境」「土木」「水産」「畜産」そして「福祉」等へとありとあらゆる部門で利用活躍されており、それぞれで良い結果が得られております。
 齋藤農園では、「生ゴミ用のボカシ」、「農業用ボカシ」をはじめEMの利用方法を地域に普及啓蒙をしております、どうぞ遠慮なく問い合せ下さい。そして皆でEM菌を活用して「自分たちの地域をピュアな世界」に塗り替えてみませんか。皆で力を合わせればきっと良い方向に進むと信じています。

 高度成長・バブル経済と我々日本人は「経済効率」を優先し、世界の中の日本と邁進して参りました。しかしその影には環境をはじめとして犠牲になった数多く物があります。よく「負の20世紀」とも言っていますが、過去には戻れません。今冷静に見ると、食料自給率は世界の先進国では最低の40%以下国には自給率の向上に躍起になっていますが、一向に上がる気配は無い。環境は美しい日本は過去の物、事件・事故は毎日山の様に事をかかない。

 日本人には「稲作文化」を中心に、穏やか性格の「農耕民族」であり、今でもその遺伝子は脈々と流れているのではないでしょうか。だから「棚田」や「里山」などの「田園風景」を見ると、農業の経験の無い方も皆さん殆どの方々が「ほっとする」また「癒される」のではないでしょうか?。
私が小さい頃の1950年代は、各家ではお金は無く経済的には大変でありましたが、地域の人達が協力(結い)しあい、豊な「地域コミュニティー」が自然と形成されていたが、現在は「結いの精神」は当に無くなりそれぞれがバラバラの考えで自分さえ良ければよいと言う考えとなっています。
 そこで「EM菌」を媒体として、「地域でEM菌の活用方法の勉強会」などを通じ今一度「昔の様な地域コミュニティー」を取り戻したいと考えおります。そして地域の人達がEM菌のように良い方向に向けば、「地域コミュニティー」、「地域環境」は昔の様に豊になるものと信じております。

EMWとEMX

100倍活性装置(EMミラクル)
     200gの活性液が出来ます。

農園にご来園の際には、大きな袋をご持参下さい、
      そして農園の空気をお土産として自由にお持ち帰り下さい。

技術提携農家として

 我が農園では、関東EM普及所の皆さんをはじめEM関係者方々から親切な指導を頂き、平成9年から「財団法人自然農法国際開発センター」と自然農法に関わる「技術提携農家制度」に参加させて頂いております。
 この制度は、自然農法センターを核として現在蓄積されている技術情報などを提携農家に提供し、農家からは日々の営農のなかから生れた自然農法の栽培内容などの有用な情報を自然農法センターへ提供し、提携農家と自然農法センター、また提携農家同士をつなぐネットワークを構築し、情報交換を通し自然農法の技術確立を目指しております。

 自然農法の技術的な課題は、「育土」「栽培管理」「病害虫対策」「雑草対策」等々多岐にわったております、水稲の様に1年に1回しか栽培出来ない様に、栽培には時間がかかります、自分1人の実践からでは限られた情報しかなく、技術向上に限界が生じます。そこで、より多くの方の経験、学びを共有することで、自然農法の技術の進歩が加速されます。例えば同じ作物の栽培でも10人で行えば10年分の体験をしたこととなり、大きな力となります。
 そして自然や命を大切にした地域社会づくりです、農業の本来の姿を取り戻し、農業を通じて、「自然の神秘」「偉大さ」『美しさに触れ」、農業者の心に応える作物の不思議さ、面白さに触れ、人間も作物も大自然の摂理に順応していくことを学び、安全でおいしい食べ物を供給できる喜び、消費者との感謝の心の交流、農家同士の助け合いにより生きがいを見つけ、単に農業者でなく、農業を通じより良い地域社会つくりのリーダーを目指しております。

自然農法農業士の資格証

自然農法センターと共に目指す

               無農薬水稲栽培に強い見方 
         @@@歩行型揺動攪拌除草機の公開試運転@@@

 無農薬で水稲を栽培する上で最大の問題は雑草とどう付き合うかですが、私は収量・収穫作業等の栽培管理に支障が無ければ、雑草は生えても特に問題は無いと考えております。しかし現実は、雑草に栄養分を取られ減収となり、雑草によってはコンバインの収穫作業に支障を来す場合が往々にあります。戦後食料難の中で色々な試行錯誤の中から開発された「除草剤」、この除草剤によって「お米の増収」農家にとっては「辛い草取り作業」から開放されました。
 しかし、除草剤と言う「化学合成資材」は自然界には存在しない物質です、私はその化学合成資材を使用する事を全て否定する事ではありません。出来る事なら「なるべく使わない」と考えております。「EM自然農法」と言っていますが、この農法が限られた人、特殊な人しか出来ない農法では駄目だと思っています、誰でもが可能な農法でなければ成らない事です。
 だけど現実は色々問題が発生します、農薬・化学肥料をマニアル通り使用した方が、収量・労力そして経済的には優れています、だから自然農法が良いと分かっていても中々馴染まない。
でも、自然農法センターそして私どもEM自然農法の実践農家は「誰でもが簡単に採用できる自然農法」を目指しております。
 そして今回その一助として、水稲の最大の問題点「除草対策」の解決方法として自然農法センターと井関農機鰍ノよる「株間除草機」の開発です。そして全国どこでもその威力を発揮可能かと、私ども技術提携農家のそれぞれの田んぼで公開試運転を今年から実施しております。我が家の田んぼでの5月22日(日)に試運転を行いました。まだ細かなところの改良が必要と感じましたが、今年全国各地の色々な田んぼで試運転され年内には一般に実用可能な「株間除草機」が完成するものと大いに期待しております。

自農センター長野試験場から
  原川研究部長自ら試運転

自然農法に関心のある方々の見守る中

この度共同開発された、株間除草機
   普段は、除草部分を取り外して管理機

関係者それぞれ運転を試みる

   EM菌が効いてくると
      枝元も枝先も平均に育ちます。

EM農法による大きな穂、右側は慣行農法